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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻4号

1999年04月発行

今月の臨床 婦人科外来

内分泌疾患・不妊症患者の診療

3.機能性出血とは

著者: 綾部琢哉1 森宏之1

所属機関: 1帝京大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.506 - P.509

文献概要

 機能性子宮出血(dysfunctional uterine bleed—ing.以下,機能性出血)についての統一的な定義は明確にされていないが,日常臨床的には,器質的疾患や炎症・外傷を伴わない子宮内膜からの出血と捉えられている.子宮内膜自体の機能異常もあり得るが,主として性ホルモンの異常分泌の結果として出血することが多い.妊娠に伴うもの,血液疾患に伴うものも機能性出血からは除外して考えられるが,とくに血液疾患に伴うものは,若年者において子宮出血が初発症状のことがあり注意が必要である.
 月経は「約1か月の間隔で起こり,限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血」と定義されており,機能性出血とは区別されている.しかし実際には,月経不順の女性では無排卵周期の「月経」と機能性出血とを区別することは困難であり,患者自身も不正出血を月経異常として捉えていることが多い.両者の相違は単に用語の定義の問題にすぎず,実地診療上はあえて両者を区別する必要もないであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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