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今月の臨床 婦人科外来 内分泌疾患・不妊症患者の診療
6.卵管機能検査
著者: 末岡浩1 吉村𣳾典1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.520 - P.524
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女性側の不妊原因のなかで,卵管不妊は最も頻度が高く,その病態も多様であることが知られている.卵管は管状の臓器であるが妊娠に対する役割としては通路としての機能を担っているわけではない.卵巣から排卵した卵子を卵管采で回収し,卵管蠕動運動によって卵子を子宮側へ運搬していく.一方,精子は子宮側から卵管を逆行し,膨大部での受精.そして約1週間にわたる胚成長に至る生殖環境を提供している.すなわち,配偶子の出会いと成長の場をつかさどる重要な役割を担っている.
したがって,卵管機能を①卵管通過性,②卵子採取能,③卵管内環境,④卵管運動性に大別することができる.これらの機能検査は,必ずしも単一の方法では不可能であり,後述する種々の検査法によって判断される.しかし,卵管とくに機能面からの検索は卵管が細長く蛇行する微細な構造をもつことから困難と考えられ,新たな技術の開発が待たれてきた.とくに卵管の診断には通気.通水・子宮卵管造影(hysterosalpingography:HSG)が行われ,それに加えて腹腔鏡および色素通水が治療を兼ねての手技として実施されてきた.
女性側の不妊原因のなかで,卵管不妊は最も頻度が高く,その病態も多様であることが知られている.卵管は管状の臓器であるが妊娠に対する役割としては通路としての機能を担っているわけではない.卵巣から排卵した卵子を卵管采で回収し,卵管蠕動運動によって卵子を子宮側へ運搬していく.一方,精子は子宮側から卵管を逆行し,膨大部での受精.そして約1週間にわたる胚成長に至る生殖環境を提供している.すなわち,配偶子の出会いと成長の場をつかさどる重要な役割を担っている.
したがって,卵管機能を①卵管通過性,②卵子採取能,③卵管内環境,④卵管運動性に大別することができる.これらの機能検査は,必ずしも単一の方法では不可能であり,後述する種々の検査法によって判断される.しかし,卵管とくに機能面からの検索は卵管が細長く蛇行する微細な構造をもつことから困難と考えられ,新たな技術の開発が待たれてきた.とくに卵管の診断には通気.通水・子宮卵管造影(hysterosalpingography:HSG)が行われ,それに加えて腹腔鏡および色素通水が治療を兼ねての手技として実施されてきた.
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