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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻5号

1999年05月発行

今月の臨床 PCO症候群を斬る

症状

1.PCO症候群を見逃さないために

著者: 髙橋健太郎1

所属機関: 1島根医科大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.660 - P.664

文献概要

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は,1935年にSteinとLeventhal1)が,両側卵巣の腫大と特徴的な臨床所見(不妊症,希発月経ないしは無月経および男性化徴候)を有する7症例を報告したことに始まり,現在ではPCOSは一連のspectrumをもった疾患であろうと理解されている.PCOSの病因論については,遺伝子工学的アプローチの進歩した現在においても依然解明されていない.
 しかし,最近の研究により,PCOS患者の脂質代謝異常[総コレステロールの上昇,low densitylipoprotein lipid (LDL)コレステロールの上昇,中性脂肪の上昇,high density lipoprotein lipid(HDL)コレステロールの減少]や虚血性心疾患,心血管障害との関連2)が報告されている.また,糖代謝異常に関しても,PCOS患者はインスリン抵抗症および高インスリン血症の頻度が高く,年齢が進むにつれてnon-insulin dependent diabetesmellitus(NIDDM)が顕著に現れる3,4).さらに,PCOSの遺伝情報はまだ確立されていないが,優性遺伝形式をもつ家族性発生の事実も報告されている5-7)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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