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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻5号

1999年05月発行

今月の臨床 PCO症候群を斬る

症状

3.肥満,多毛,男性化

著者: 和泉俊一郎1 村野孝代1 牧野恒久1

所属機関: 1東海大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.670 - P.673

文献概要

 多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syn—drome.以下,PCOS)の定義については,すでに前稿において詳しく解説されているが,本邦におけるPCOSの診断基準(1993年,日本産科婦人科学会生殖・内分泌委員会)では,臨床症状として無月経,希発月経,無排卵周期症などの月経異常が存在し,内分泌検査によってLHの基礎分泌値が高値でFSHが正常範囲であり,超音波断層検査で卵巣に多数の卵胞の嚢胞状変化が認められればPCOSである.
 本稿で解説する肥満,男性化兆候,血中男性ホルモンの高値などは参考項目であり,これらの参考項目をすべて満たす場合は典型例のPCOSとして取り扱われる.したがって,本邦におけるPCOSの定義はかなり幅の広いスペクトラムを含んでおり,はたして軽症から重症に至る単一の疾患を指すものであるのかの疑念・議論は他稿にゆずり,本稿では月経異常を主訴として婦人科に来院した患者において,肥満症や多毛症が合併していた場合の,PCOSを中心とした鑑別診断を中心に解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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