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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻5号

1999年05月発行

文献概要

今月の臨床 PCO症候群を斬る 予後

2.妊娠後の流産率

著者: 遠藤俊明1 真名瀬賢吾1 工藤隆一1

所属機関: 1札幌医科大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.720 - P.724

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 流産について多嚢胞卵巣症候群(polycysticovary syndrome:PCOS)関係の論文を散見すると,注目されている症候は形態学的には超音波所見として多嚢胞が存在すること,またホルモン所見としてLHが高値であること,男性ホルモン(testosterone,androstenedione,DHEA-S)の値が高めであることである.またprostaglandinの合成障害による子宮内膜異常1)やLHの値に関係なく肥満がPCOSの流産と関係しているとの報告もある2).その他,高プロラクチン血症の合併頻度の高いことも知られている.また最近,肥満とも関係するが,PCOS症例が経過中に高脂血症,糖尿病などの成人病の発生が高いことなども報告されている.
 今回は,高プロラクチン血症,肥満や糖尿病などによる流産は除外し,いわゆるPCOSのホルモン病態に主に基因すると思われる流産に関して述べる.しかしここ数年日本ではPCOSと流産との関連についての報告はほとんどないことから,海外文献を中心に述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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