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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻5号

1999年05月発行

症例

MRI所見が術前診断に有用であったAFS class—Ⅲの子宮奇形,重複腟,片側腟不完全閉鎖(瘻孔形成)・留膿症,片側腎無形成の1例

著者: 佐藤賢一郎1 水内英充2 芦原康氏3 渡場孝弥3 長多正美3 杉村政樹3

所属機関: 1新日鐵室蘭総合病院産婦人科 2みずうち産科婦人科 3札幌医科大学産婦人科

ページ範囲:P.743 - P.747

文献概要

 今回,われわれは帯下異常を主訴に受診したところ,The American Fertility Society classificationⅢの子宮奇形,重複腟,片側腟不完全閉鎖(瘻孔形成)・留膿症,片側腎無形成であった1例を経験した.本疾患の報告例は本邦で50数例を数えるにすぎず,その術前診断は必ずしも容易ではない.本症例においては,女性性器奇形が念頭に置かれていたことと,MRI所見が術前診断に有用であり,開腹することなく経腟的レーザー腟壁切除術により治療することができた.MRIは自由な撮像方向が得られるため全体像の把握が容易であること,貯留液の性状が診断できる場合があること,隔壁が筋層か結合組織かの鑑別も可能であること,低侵襲であること,感染の合併に関係なく施行可能であること,および非対称性子宮奇形に多い尿路系異常の検索にも役立つこと,などより若年で症状を発現することの多い女性性器奇形の診断に適しており,積極的に行うべきであると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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