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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻5号

1999年05月発行

文献概要

症例

卵管膨大部に発生した部分胞状奇胎の1例

著者: 岩政仁1 大場隆1 大竹秀幸1 片渕秀隆1 田中信幸1 松浦講平1 岡村均1

所属機関: 1熊本大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.753 - P.756

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 卵管に発生する胞状奇胎の報告は非常にまれである.今回,卵管膨大部に発生した部分胞状奇胎を経験したので報告する.症例は23歳の未経妊婦人で,無月経および不正性器出血を主訴に来院した.尿中hCGは8,000IU/lを示したが経腟超音波所見にて子宮内にGSを認めなかった.子宮外妊娠の疑いで妊娠7週2日に腹腔鏡検査を施行し,左側卵管膨大部に拇指頭大の腫大を認めた.左卵管膨大部妊娠未破裂の診断で開腹術を施行し,卵管温存術を施行した.摘出した卵管内容は肉眼的に絨毛組織を認め,一部は直径2mm以上に腫大していた.組織病理学的所見では正常の絨毛組織とともに円形あるいは不整に腫大した絨毛の内部にcentral cisternがみられた.トロホブラストの局所的な増殖が確認され,一部にscallopingも認められた.最終診断は左卵管膨大部に発生した部分胞状奇胎とした.術後のhCGの低下は奇胎娩出後の経過順調型を示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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