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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻6号

1999年06月発行

文献概要

今月の臨床 卵巣がんと闘うために 治療

2.外科療法 1)卵巣癌の手術

著者: 小西郁生1

所属機関: 1信州大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.813 - P.815

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 卵巣癌は初診時よりすでに進行した症例が多数を占めており,これらにおいては手術による腫瘍の完全摘除は困難なことが多い.一般に進行した悪性腫瘍に対するaggressiveな手術の適応は腫瘍の完全摘出が可能な場合に限られるが,卵巣癌は例外的といえる.すなわち,卵巣癌の手術ではたとえ進行していても原則として可能な限り腫瘍を摘出する方針が取られる.これは卵巣癌の多くが制癌剤に感受性があり,その治療があくまでも手術療法と化学療法の組み合わせにより行われること,さらに,1975年のGriffithsの報告を初めとしてその後の多数の成績により,初回手術後の残存腫瘍が小さいほど化学療法の効果が高く患者の生存率も良好であることが示されてきたからである1,2)
 しかし,現実には初回開腹時にどのような手術を行うかの判断は,腫瘍の広がりを考慮して慎重に個別化されなければならない.すなわち,卵巣癌の手術ではまず開腹術を行い,その開腹時所見により進行期と組織型を決定し,それに基づいて今回の手術が完全摘出を行える手術となりうるのか,残存腫瘍径が1〜2cm以下となるようなopti—mal cytoreductionを行えるか,あるいは一部の腫瘍摘出あるいは生検にとどめて化学療法後のsecondary cytoreductionを期待するか,の判断が重要である.なお,本稿では主に上皮性卵巣癌の手術について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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