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連載 Estrogen Series・38 HRTと静脈性血栓塞栓症・3
女性におけるエストロゲンの使用と肺塞栓に関する前方視研究
著者: 矢沢珪二郎1
所属機関: 1ハワイ大学
ページ範囲:P.840 - P.841
文献購入ページに移動 現在,経口避妊薬(OC)を使用中の女性に肺塞栓が増加することは周知の事実である.しかし,そのような効果はOC使用を中止した後にも持続するのであろうか? さらに更年期後女性に対するホルモン補充療法(HRT)と塞栓症との関連はどうであろうか? 実際,HRTに使用されるエストロゲンの量はOCの場合の1/6程度である.しかし,更年期後女性を対象としたHRTの使用が肺塞栓(pulmonary embolism:PE)を増加させるかどうかは不明である.いままでになされたいくつかのHRTと血栓性疾患に関する疫学的調査は,これに関して明確な結論が得られるほどの規模ではなかった.もっとも規模の大きなものでもHRT使用者中のPE症例は6例であった.しかし,OCの使用,喫煙,心疾患などの関連を考慮すれば,HRTとPEの場合もなんらかの関連が疑われるのである.
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