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CURRENT RESEARCH
黄体機能調節機構—血管内皮由来生理活性物質の役割
著者: 久保田俊郎1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部産科婦人科
ページ範囲:P.847 - P.854
文献購入ページに移動 1988年より米国留学の機会に恵まれ,ラット下垂体培養系におけるプロラクチン分泌と細胞内情報伝達系に関する研究に従事しました.1989年帰国後,ブタ顆粒膜細胞の培養系を用い細胞内情報伝達系の研究を開始したところ,当時日本で発見されたエンドセリン(ET)に出会いました.このペプタイドホルモンは,ブタ顆粒膜細胞内のカルシウム濃度を上昇させ,ゴナドトロピン刺激後のプロゲステロン分泌を抑制することがわかり,体外受精—胚移植で得られた黄体化顆粒膜細胞やヒト子宮内膜細胞の培養系でもETの研究を発展させました.一方,血管内皮由来でETと拮抗的な作用をするフリーラジカルである一酸化窒素(NO)にも注目しました.そして,NOもブタ顆粒膜細胞の黄体化抑制作用を有することが判明したため,黄体機能調節機構とET・NOとの関連性に関する研究に,本格的に着手することになりました.
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