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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻6号

1999年06月発行

症例

子宮鏡が術前診断に有用であった子宮内膜粘液性腺癌の1例

著者: 佐藤賢一郎1 水内英充2 塚本健一3 佐藤太一3 三上晴克3 渡辺佳明4 田中伸哉4 藤田美莉4

所属機関: 1新日鐵室蘭総合病院産婦人科 2みずうち産科婦人科 3新日鐵室蘭総合病院検査科 4北海道大学医学部第2病理

ページ範囲:P.865 - P.870

文献概要

 子宮鏡が術前診断に有用であった子宮内膜粘液性腺癌の1例を経験した.症例は81歳(閉経46歳),0妊0産で不正性器出血を主訴として1997(平成9)年9月30日,当院を初診した.内膜細胞診,生検では類内膜腺癌G1と考えられ,MRIでは頸部腺癌の体部浸潤も完全には否定できなかった.子宮鏡検査では多量の粘液が存在し視界不良であったが,全面に厚い粘液層で覆われた悪性と思われる結節状隆起性病変を認め,特徴的な所見であった.また,頸管が正常所見であることより内膜由来の粘液性腺癌が考えられた.同年11月26日,腹式子宮全摘術.両側付属器摘出術,腹腔洗浄細胞診を施行した.病理組織検査の結果は筋層浸潤1/2以内で,粘液産生細胞は全癌細胞の90%以上を占めており,子宮内膜粘液性腺癌と診断した.子宮鏡は子宮内膜粘液性腺癌の組織型推定や,病巣を直視下にできるため頸部腺癌との鑑別に役だち,子宮内膜粘液性腺癌の術前診断に有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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