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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻7号

1999年07月発行

今月の臨床 胎児へのlife line臍帯

臍帯の基礎

4.臍帯血流の計測

著者: 小林秀樹1

所属機関: 1福岡大学医学部産婦人科・総合周産期母子医療センター

ページ範囲:P.896 - P.898

文献概要

臍帯血流の計測
 胎児胎盤循環不全(UPI)の診断方法は,E3やHPLの測定からより即時的でダイナミックな超音波ドプラ法による血流計測,波形解析に取って代わられ1),「臍帯動脈RI値異常」や「臍帯動脈血流の途絶や逆流現象」といったことで,患者の紹介を受けることも頻繁になってきた.
 経験的に重症の子宮内発育遅延(IUGR)や羊水過少の発症やCTG上の胎児心拍パターンの異常の出現前に胎児臍帯動脈血流波形の異常を認めることも多い2).胎児の発育速度が低下するときや胎児尿産生量が低下するときは,臍帯血流量や臍帯動脈血流波形に変化が起きていることは動物モデルやヒト胎児の統計解析でも明らかにされているが,臨床の現場で産科的方針の決定に際しては,CTGに対する補助診断の域を出ていない.とくに各症例を経時的に観察し,病態の進行や治療効果判定に触媒変数として用いるときは,測定誤差や測定時の胎児心拍数や子宮収縮による自然変動を念頭に置くべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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