icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻9号

1999年09月発行

文献概要

今月の臨床 増えてきた子宮体癌 Overview

わが国における発生頻度と治療成績の現状

著者: 岡村智佳子1 佐藤信二1 矢嶋聰1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1128 - P.1131

文献購入ページに移動
 子宮体癌は,これまで本邦では欧米諸国に比べてその罹患率が低率であるとされていた.しかし,子宮頸癌の罹患率が世界的に減少しつつあるのに対し,子宮体癌の罹患率は上昇傾向にあり,女性の平均年齢の高齢化に伴う好発年齢層の増加や生活スタイルの欧米化などにより,今後この傾向はさらに強まると予想される.また,子宮体癌はI,II期などの早期癌として発見されることが多く,産婦人科領域の癌のなかでも比較的予後が良好であるとされてきたが,進行癌や再発癌では治療に苦慮する症例も少なくない.さらに子宮体癌における術後療法は,子宮頸癌における放射線療法や卵巣癌における化学療法のように地位が確立しているものがなく,いまだ統一の見解が得られていないのが現状である.
 本稿では子宮体癌の発生頻度についてふれ,治療法および治療成績の現状について述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?