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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻9号

1999年09月発行

今月の臨床 増えてきた子宮体癌

発生の基礎

3.発生の遺伝子・分子機構

著者: 栗秋ユミ子1 加藤聖子1 和氣徳夫1

所属機関: 1九州大学生体防御医学研究所生殖内分泌婦人科

ページ範囲:P.1142 - P.1145

文献概要

 癌は種々の癌遺伝子の活性化や癌抑制遺伝子の不活化により発生すると考えられ,さまざまな遺伝子の関与が推察される.
 最近,癌の発生にgenetic instability(GIN,遺伝的不安定性)の関与が示唆されている.GINはmicrosatellite instability (MIN)とChromo—somal instability (CIN)の二つに大別できる.MINは数塩基の繰り返し配列の異常が起こるもので,この機構に関与する遺伝子としてhMSH2やhMLH1がある.CINは染色体凝集や染色分体癒合などの異常が起こるもので,これらの機構にhMAD2,hBUB1などの遺伝子が関与する.MINやCINにより塩基配列の変化,染色体数の変化,染色体転座,遺伝子増幅が生じることにより,癌遺伝子の活性化や癌抑制遺伝子の不活化が起こる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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