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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻9号

1999年09月発行

文献概要

連載 OBSTETRIC NEWS

子宮内感染と脳性麻痺

著者: 武久徹

所属機関:

ページ範囲:P.1165 - P.1165

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 脳性麻痺の原因は複雑である.第46回米国産婦人科医協会(ACOG)臨床大会でも,脳性麻痺の原因に関し,胎児低酸素症(Gilstrap)と胎児感染(Romero)の面から討論された.出生時の啼泣があり,アプガースコアが正常,臍帯動脈血pHが正常,哺乳良好で母親とともに退院した児が最終的に脳性麻痺となっても分娩中の胎児低酸素症が原因ではない(Gilstrap LC,第46回ACOG臨床大会,1998年5月)が,脳性麻痺はしばしば医療訴訟の対象となり,原告側は分娩中の産科管理が原因と考える例がきわめて多い.
 脳性麻痺の原因に関する多くの研究がある.後方視的研究であるが,臨床的にNelsonらは約156,000分娩(1983〜1985年の分娩,サンフランシスコ地域,出産時2,500g以上,3歳までフォローアップ,脳性麻痺84例,対照378例)の調査で分娩中に母体発熱(>38.0℃),(臨床的)絨毛膜羊膜炎,胎盤感染(組織学的診断),敗血症などの感染がある場合の脳性麻痺発生頻度は約9倍と有意に増加することを明らかにした(JAMA278:207,1997)(臨婦産52:354,1998).Romeroの共同研究者の一人であるYoonは妊娠家兎を用いた実験で,子宮内感染で脳室周囲白質硬化症(PVL)を発症させることができることを証明した(AJOG177:797,1997).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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