文献詳細
今月の臨床 胎盤異常と臨床
妊娠後期の胎盤異常
文献概要
常位胎盤早期剥離abruptio placentae(以下,早剥)は,妊娠20週以降で,正常位置付着胎盤が胎児娩出以前に子宮壁から部分的または完全に剥離し,重篤な臨床像を呈する症候群と定義される1,2).早期に診断・治療しないと胎児の救命率は悪く,DIC(播種性血管内血液凝固症候群dis—seminated intravascular coagulation)を必発し,急性腎不全などの臓器症状を併発することもまれではない.重篤な症例では診断は比較的容易であるが,軽症例を早期に診断することは通常困難である.本稿では,早剥の早期診断について述べる.
掲載誌情報