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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻1号

2000年01月発行

連載 OBSTETRIC NEWS

頸管熟化方法—フォーリーカテーテルの有用性

著者: 武久徹

ページ範囲:P.82 - P.83

文献概要

 米国では,誘発分娩が年々増加しており,1992年の11%から1996年には17%となっている[NCHS Monthly Vital Statistics Report.vol.11(suppl),June 30,1998].誘発分娩率が43%という施設もある(AJOG 180:628,1999).誘発分娩の増加の原因は明らかではないが,数多くの無作為対照試験で有効性と安全性が明らかにされている薬剤が複数紹介されてきたのも,誘発分娩率が増加している一因と思われる.
 誘発分娩の成功率は,開始時のBishopスコアに影響される.したがって,有効な頸管熟化剤が使用できれば,誘発分娩の不成功率が減少し,妊婦と胎児に恩恵がある.欧米で明らかに有効性が証明されている薬剤が日本では使用許可されていないため,日本では未成熟頸管のまま,誘発分娩を開始しなければならないというハンディキャップがある.しかし,日本でも使用できるフォーリーカテーテル(以下,Foley)は頸管熟化方法として有用であることが複数の研究で明らかにされている.子宮や頸管内操作は感染の危険をつねに伴うので,十分な配慮が必要であるが,有効な頸管熟化剤を利用できない場合の選択としては受け入れられる方法のようである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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