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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻2号

2000年02月発行

今月の臨床 ホルモン療法のピットフォール—あなたの方法は間違っていませんか

月経異常の治療

5.ホルムストローム療法後の高温相持続は

著者: 苛原稔1 青野敏博1

所属機関: 1徳島大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.128 - P.129

文献概要

ホルムストローム療法とは
 無月経や無排卵周期症などの排卵障害を長期に放置すると,女性ホルモンの分泌不全により,若年者では性器の発育障害,成熟女性では骨量の低下,脂質代謝への影響,さらには子宮内膜癌や乳癌の発生などの問題があるので,適切な治療を行う必要がある.無月経や無排卵周期症の治療に際しては,挙児希望のある症例では当然排卵誘発治療が選択されるが,挙児希望のない症例では,性ホルモンの補充療法が行われる1)(表1).
 無月経には,卵胞発育が認められ,ある程度卵巣からのエストロゲンの分泌がある第1度無月経と,卵胞発育がほとんどなく,エストロゲンの分泌のない第2度無月経がある.このうち第2度無月経に対する性ホルモン療法では,エストロゲンの分泌がないので,エストロゲンとゲスターゲンの合剤を一定期間連日内服させたり,エストロゲン製剤を前半期に,後半はエストロゲンとゲスターゲン製剤を併用投与するいわゆるカウフマン療法を行うなど,エストロゲンとゲスターゲンの両者を補充する必要がある.一方,比較的軽症の第1度無月経や無排卵周期症では,卵胞発育によるエストロゲン分泌があるため,ゲスターゲンのみの補充で十分である.一般にホルムストローム療法では,周期の後半の5〜7日間程度,ゲスターゲン製剤を投与する.すでに若干のエストロゲンのプライミングがあるので,周期の後半にゲスターゲン製剤を投与するのみで消退出血が発来する2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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