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連載 OBSTETRIC NEWS
アンピシリン耐性菌による新生児敗血症の増加
著者: 武久徹
所属機関:
ページ範囲:P.186 - P.187
文献購入ページに移動 B群レンサ球菌(GBS)敗血症の予防(MMWR45(RR−7):1),preterm PROM(PPROM)の際の母子の予後改善などの目的で妊娠または分娩中に抗生物質を母体に投与する例が増加している.その結果,新生児GBS敗血症の減少(AJOG180:S84,1999;MMWR 47:665,1998)やPPROM後の潜伏期延長,母子の罹患率が低下する(ACOG Practice Bull No.1,June 1998)ことが明らかにされている.しかし,これらの抗生物質投与による影響で,抗生物質耐性菌による新生児敗血症が増加することが懸念されている.
Mercerら(テネシー大学メンフィス校)は,1997年7月から1998年2月までにShelby郡の6つの病院で出生した8,657例を対象に,陣痛発来前と分娩中の母体抗生物質投与とアンピシリン耐性菌による新生児敗血症(血液または脳脊髄液培養陽性)の関係を調べた.その結果,102例の新生児敗血症(発生率1.2%)(早産児77%)中70%は分娩前および分娩中,54%は分娩中に抗生物質が投与された.早産児は満期産児に比較し,新生児敗血症発症率が19.3倍(5.7%対0.3%,p<0.001)であった.
Mercerら(テネシー大学メンフィス校)は,1997年7月から1998年2月までにShelby郡の6つの病院で出生した8,657例を対象に,陣痛発来前と分娩中の母体抗生物質投与とアンピシリン耐性菌による新生児敗血症(血液または脳脊髄液培養陽性)の関係を調べた.その結果,102例の新生児敗血症(発生率1.2%)(早産児77%)中70%は分娩前および分娩中,54%は分娩中に抗生物質が投与された.早産児は満期産児に比較し,新生児敗血症発症率が19.3倍(5.7%対0.3%,p<0.001)であった.
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