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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻2号

2000年02月発行

連載 誌上Debate・8

preterm PROMにおける羊水補充療法の是非

著者: 天野完1 中山摂子2

所属機関: 1北里大学医学部産婦人科 2愛育病院産婦人科

ページ範囲:P.198 - P.202

文献概要

 是 破水の時期が早期(preterm PROM:pPROM)であるほど新生児死亡の頻度は高く,24週以下では50%以上に及ぶ.未熟性に加え肺低形成が問題になり,ヒトでは16〜24週のcanalicular phaseでの羊水過少と肺低形成との関連が示唆されている(Moessingerら,1986年).羊水過少となれば胸郭の動きは制限され,肺胞,羊膜腔の圧較差は増加し,肺胞液が流出することになり,肺低形成の病態に関与する.また破水後には膀帯圧迫による循環障害の頻度は高まり容易に胎児低酸素症・アシドーシスが発症する.したがって,破水に伴う羊膜腔の減少を代用人工羊水の注入(amnioinfusion)により回避し得ればこれらのリスクを軽減できる可能性がある.pPROMでのanmioinfusionのアイディアはOgitaら(1988年)の“PROM-fense”の開発によるが,その後経腹的,経腔的アプローチによるamnioin-fusionが試みられている。
 筆者らはpPROMの管理に積極的にanmioin-fusionを行っている.待機療法を考慮した28週未満のpPROM 77例で45例,58%(プロムフェンス26例,経腹10例,経腟9例)にanmioin-fusionを行ったのでそのベネフィットをまとめた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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