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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻2号

2000年02月発行

文献概要

症例

保存的手術とMEA療法により寛解となし得た卵巣絨毛癌の1例

著者: 塩見ひろ美1 井川佐紀1 木村光宏1 高橋久寿1 日野明子2

所属機関: 1JA徳島厚生連麻植協同病院産婦人科 2徳島大学医学部第一病理学

ページ範囲:P.203 - P.207

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 卵巣絨毛癌は比較的まれである.今回われわれは右卵巣原発の絨毛癌の1例を経験したので報告する.症例は21歳の大学生で,下腹部腫瘤のため近医より紹介され初診した.下腹部全体が卵巣由来の腫瘍によって膨隆し,圧痛がみられた.尿中妊娠反応が陰性であったため,術前には絨毛性疾患を疑えないまま開腹術を施行した.右卵巣由来の赤褐色で非常に軟らかい腫瘍を認め,子宮漿膜面や広間膜に浸潤がみられた.妊孕性温存のため右付属器切除術にとどめ,術後病理組織診断は卵巣絨毛癌(純粋型)であった.術後胸部CTで両側肺野に転移巣を認めたため,MEA療法(MTX,etoposide,Act-D併用)を行った.4コース終了後にhCG—β(CTP)(EIA)値は陰性化し細胞効果も陰性となり,さらに4コース追加し退院した.退院後約1年2か月現在,再発を認めず,正常卵巣周期も回復している.本症例のMRI所見は卵巣絨毛癌として初めての報告であり,今後の診断の参考となるだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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