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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻3号

2000年03月発行

今月の臨床 新生児外科の最前線—産科医としての必須知識

外科治療の現況と産科医へのアドバイス 2.胸部疾患

1)先天性横隔膜ヘルニア

著者: 吉野裕顕1 加藤哲夫1

所属機関: 1秋田大学医学部小児外科

ページ範囲:P.248 - P.251

文献概要

出生前診断,周産期治療と治療成績
 近年,出生前診断,周産期治療の進歩により,新生児外科疾患の治療成績の向上がみられるなかで,唯一先天性横隔膜ヘルニア(以下,本症)のみは改善が得られず,その死亡率は約40%と高率である1)
 本症のおもな死因の一つである新生児遷延性肺高血圧(以下,PPHN)に対する治療成績はHFO,ECMO,NO吸入療法などの呼吸・循環管理の進歩により向上し,さらに出生前診断によって.出生直後から集中治療が可能となり,救命される症例は増加した.しかし,出生前診断例には救命困難な重症例も多く,当初期待されたほどの治療成績の向上には結びついていない.すなわち今まては見過ごされ,胎内死亡あるいは出生直後に死亡し,本症と診断されていなかったいわゆるhiddenmortalityが明らかとなり,統計的には治療成績の低下として現れることになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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