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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻4号

2000年04月発行

連載 ARTシリーズ・13

男性不妊に対するARTは,原形質内精子注入法を使用したほうが成績がよいか?

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.345 - P.345

文献概要

 1996年の統計では新鮮自己卵ARTで,その30%に原形質内精子注入法(intracy toplasmic sperm injection:ICSI)が使用されたが,その主要な目的は精子の機能と運動性にともなう問題を改善するためである.図は男性不妊カップルに対してなされたART成功率を,ICSIを使用した場合と使用しない場合に分けたものである.ICSIを行うには少なくとも1個の卵が採取されなければならないので,1回の卵採取当たりの生存出産率(LB/retr)と1回の胚移植当たりの生存出産率(LB/trans)のみを比較した.1996年の統計では,1回の卵採取に対する成功率はICSIを使用したほうが高く,したがって男性不妊カップルではICSIを採用したほうが受胎のチャンスが良好であることを示唆している.ICSIを使用してもしなくても1回の胚移植当たりの成功率がほぼ同じなのは,一度卵が受精されてしまえばICSIは成功率とは無関係であることを示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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