臨床婦人科産科54巻4号

2000年04月発行

今月の臨床 生殖内分泌と不妊診療の最新データ

性成熟期

6．高プロラクチン（PRL）血症

著者： 松岡良¹

所属機関： ¹東京日立病院産婦人科

ページ範囲：P.426 - P.431

文献概要

　不妊症の原因として，プロラクチン（PRL）の異常は最初に鑑捌すべき疾患であることはいまや周知の事実であり，その頻度は表1に示すごとく，不妊外来患者の約40％くらいである．血中PRL値が15ng／ml以上の顕性高PRL血症とTRH負荷テストで過反応を示す潜在性高PRL血症に分けられる．今回はこのそれぞれについて，排卵障害の機序，症状，診断，治療，妊娠・分娩・産褥について概説する．