icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻4号

2000年04月発行

文献概要

今月の臨床 生殖内分泌と不妊診療の最新データ 更年期・老年期

5.排尿異常と性器脱

著者: 松田秀雄1 中原健次1 廣井正彦1

所属機関: 1山形大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.478 - P.485

文献購入ページに移動
 近年の高齢化の進行とがん検診意識の向上やHRTの普及に伴い,日常婦人科外来を受診する中高年女性は増加の傾向にある.更年期,老年期における頻度の高い良性疾患として,尿失禁,排尿困難,性器脱,萎縮性腔外陰炎などが挙げられるが,とくに,尿失禁の潜在的な患者数は数百万人規模(成人女性の28%が経験し,そのうちの15%が治療対象1)といわれ,産婦人科としても今後の取り組みが問われる領域となっている.すでに一部の欧米諸国では臨床的学問領域としてのurogynecologyが定着しつつあり,本邦においても今後発展する領域と思われる.女性生殖器は解剖学的に膀胱・直腸と接しているので,従来婦人科疾患と考えられがちであった性器脱についても,他科とクロスオーバーした診断・治療のアプローチが求められている.ここでは,とくに①排尿異常,②性器脱について述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?