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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻5号

2000年05月発行

今月の臨床 ハイリスク分娩の管理指針

ハイリスク妊婦の分娩管理

4.CPDトライアル—比較的狭骨盤・低身長妊婦

著者: 土屋清志1 岩下光利1

所属機関: 1杏林大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.644 - P.646

文献概要

児頭骨盤不均衡(CPD)
1.定義
 日本産科婦人科学会の定義は,「児頭骨盤不均衡(cephalopelvic disproportion:CPD)とは,児頭と骨盤の間に大きさの不均衡が存在するために,分娩が停止あるいは母児に危険が切迫したり,あるいは障害が予想される場合をいう」(『産科婦人科 用語解説集』1989年)1)とされている.この定義は病因論的な分析によるもので,また概念的な性格をもつ.難産状態の要因を分娩の三要素(産道,娩出力,娩出物)に求めて考えるとき,児頭と骨産道因子との関係のみをCPDとして定義すべきである.現在,新しいCPDの定義として,「CPDとは児頭と骨盤の大きさ(径線あるいは角度)に関係した因子による難産状態」(日本産科婦人科学会用語委員会,1991年)2)が用いられる.難産=CPDではないのであるが,分娩の進行ぐあいで診断されるほうが臨床のうえでは実際的であるためである.
 米国産科学会のCPDの定義では,「子宮口が全開し,すでに破水しながら,児頭が嵌入しない状態」としており3),有効陣痛があることが前提となっている.ここでは,児頭の先進部が坐骨棘の高さより下降していれば嵌入としている.このような診断基準にかなうものをCPDと診断することが実際的であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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