連載 誌上Debate・10
鉗子分娩か吸引分娩か
著者:
原量宏1
宮崎豊彦2
野村弘行2
吉村𣳾典2
所属機関:
1香川医科大学母子科
2慶應義塾大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.714 - P.719
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鉗子分娩を是とする立場からの原稿を依頼されたとき,従来から種々の雑誌,あるいは研究会などでなされたように,結局不毛な結果に終わることが予想されたので強く固辞しました.鉗子を用いない方々や吸引のみしか行わない(鉗子技術を習わなかったため)方々とは,論点がかみ合わず議論にもならないからです.しかしその後,岡井先生(愛育病院)など多くの先生方から,この際,鉗子遂娩術の安全性と技術習得の重要性に関して,是非とも意見を述べるようにと勧められたこともあり,あえて本文を提出する次第です.鉗子分娩を是とする立場からの原稿を依頼されたとき,従来から種々の雑誌,あるいは研究会などでなされたように,結局不毛な結果に終わることが予想されたので強く固辞しました.鉗子を用いない方々や吸引のみしか行わない(鉗子技術を習わなかったため)方々とは,論点がかみ合わず議論にもならないからです.しかしその後,岡井先生(愛育病院)など多くの先生方から,この際,鉗子遂娩術の安全性と技術習得の重要性に関して,是非とも意見を述べるようにと勧められたこともあり,あえて本文を提出する次第です.
鉗子分娩を是とすることはあまりにも当然のことで,是か非かを問うこと自体が誤りです.鉗子を習得せずして,吸引ができればよしとする風潮はかなり広がっているようですが,産婦人科医師,とくに周産期医療の専門医の教育に責任を持つ指導者としてあってはならないことです.