icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻5号

2000年05月発行

文献概要

臨床経験

新しいエストラジオール測定キットの基礎的および臨床的検討

著者: 髙橋健太郎1 宮﨑康二1

所属機関: 1島根医科大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.721 - P.726

文献購入ページに移動
 ホルモン補充療法(HRT)の普及に伴い,血中のエストラジオール(E2)測定は治療上重要であるが,結合型エストロゲン(CE)投与患者において,測定されたE2値は正確な血中E2値を反映していないのではないかという疑問がある.今回,E2以外のエストロゲンおよびその誘導体に対する交差反応性の低いCoat-Count Estradiol−6 kit(E2—HRTキット)の基礎的および臨床的検討を行った.基礎的検討の結果,最小検出感度は10pg/mlであり,再現性試験も良好であった.患者血清における従来のCoat-Count Estradiol kitとの比較検討の結果,コントロール群およびE2投与群においては両キット間に血中E2濃度の解離はほとんど認められなかったが,CE投与群においては50%に解離が認められた.以上より,E2HRTキットはE2以外の成分と交差反応性はきわめて少なく,HRT施行時における結合型エストロゲン投与時の血中E2濃度を正しく反映していると推察される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?