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今月の臨床 子宮頸癌—最近のトピック 診断・検査のトピック
1.臨床進行期分類の変遷
著者: 久布白兼行1 野澤志朗1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.744 - P.747
文献購入ページに移動 臨床進行期分類は,治療法の決定や予後の推定あるいは治療成績の評価などに際して基本となるものである.わが国では1952(昭和27)年3月の第4回日本産科婦人科学会総会において日本子宮癌登録委員会が発足し,1953(昭和28)年より子宮癌患者の報告・登録が行われ,現在に至っているが,その間に進行期分類は変更された.子宮頸癌の進行期分類には,日本産科婦人科学会が1971年の治療症例より適用しているFIGO(国際産婦人科連合)分類と1979年より適用されているTNM(UICC)分類の2種類がある.本邦では1987年に『子宮頸癌取扱い規約』の初版が発行されたが,1994年のFIGOの臨床進行期分類の改訂1)およびWHOの組織分類の改訂,さらに1997年のUICCのTNM分類の改訂に伴って変更されてきた.そこで,本稿ではこれら一連の臨床進行期分類の変遷について概説し,さらに現在とくに課題となっている新FIGO分類I期の取り扱いについても文献的考察を含めて述べる.
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