icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻6号

2000年06月発行

今月の臨床 子宮頸癌—最近のトピック

診断・検査のトピック

2.頸癌の自然史と再発予知におけるHPV typingの意義

著者: 小西郁生1 塩原茂樹1

所属機関: 1信州大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.748 - P.751

文献概要

 子宮頸癌は性感染症としての性格をもつことが古くから示唆され,頸癌の発生要因として,1970年代にはヘルペスウイルス感染が注目されていた.ところが,1980年代初期に頸癌組織中からヒトパピローマウイルス(HPV)の16型および18型が検出されて以降,頸癌発生におけるHPV感染の役割が急速に明らかにされてきた.現在までに,女性性器病変に関連するHPVとして30種類以上の型が報告され,良性病変の尖型コンジローマで検出されるHPV 6,11型はlow risk HPV,浸潤癌の大部分で検出されるHPV 16,18型はhigh risk HPV,およびその後に同定されたHPV31,33,35,42,43,44,45,51,52,56,58型などはintermediate risk HPVとして分類されることが多い.しかし,この分類は基礎的研究や疫学的成績に基づくものではなく,現在,種々の新しい分類が試みられている.
 頸癌の前駆病変であるcervical intraepithelial neoplasia(CIN)のほぼ100%,浸潤頸癌の70〜80%にいずれかの型のHPVが検出され,基礎的な研究成果も合わせ考えると,HPV感染が頸癌発生過程の一つの重要なステップを構成していることはまず間違いないと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら