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今月の臨床 子宮頸癌—最近のトピック 診断・検査のトピック
5.頸部腺癌診断の問題点
著者: 植田政嗣1 植木實1
所属機関: 1大阪医科大学産婦人科
ページ範囲:P.762 - P.766
文献購入ページに移動 子宮頸部の扁平上皮系病変に対する早期診断ならびに管理方法はすでに確立し,進行癌の減少に寄与している.一方,腺系上皮異常はその組織発生や進展様式についてはいまだ不明な点が多く,前癌病変の可能性がある腺異形成(glandulardysplasia:GD)や上皮内腺癌(adenocarcinomain situ:AIS)の病理学的位置づけも議論の途上である.頸部腺癌の発生頻度は全頸癌の5〜10%とされ,近年,増加傾向にあると報告されている1,2).細胞診やコルポスコピーによる早期診断が困難であること,扁平上皮癌に比べて放射線感受性が低く,予後不良であることから,頸部腺癌の診断は婦人科癌検診の大きな問題点の一つとされている3,4).本稿では,頸部腺系上皮異常の早期診断に焦点を絞り,細胞診像,GDおよびAISの病理学や管理法について悪性腺腫の病態を含めて述べる.
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