icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻6号

2000年06月発行

今月の臨床 子宮頸癌—最近のトピック

治療のトピック

5.放射線療法—放射線科からみた頸癌治療のトピック 3)温熱療法の併用

著者: 多湖正夫1 中川恵一1 青木幸昌1 大友邦1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院放射線科

ページ範囲:P.809 - P.813

文献概要

 子宮頸癌の治療において放射線療法が重要な役割を果たしていることは議論の余地がない.しかしながら,現在でも進行期症例では放射線単独で腫瘍制御を得ることが困難な場合が多いのも事実である.したがって,根治的放射線療法においては他治療法と組み合わせて行うことも多く,最近では子宮頸癌を含めた各領域においてcisplatinやfluorouracilとの同時併用化学放射線療法が頻用され,randomized trialでも生存率の向上に寄与するとの報告が多数みられる1-3)
 一方,温熱療法も放射線療法とよく併用されるが,熱エネルギーによる悪性腫瘍の治療については,実は5000年以上も前に乳癌患者に対する使用の記載があり,約100年の歴史しか持たない放射線療法に比しはるかに古いものである.近代医学においては,1866年にドイツのBuschが丹毒熱で腫瘍が消失した例を報告したことに始まるが4),研究がさかんになったのは1970年代以降である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら