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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻6号

2000年06月発行

文献概要

今月の臨床 子宮頸癌—最近のトピック 治療のトピック

6.新たな治療への展望 1)HPVワクチン

著者: 斉藤淳子1 神崎秀陽1

所属機関: 1関西医科大学産婦人科

ページ範囲:P.814 - P.818

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 日本では,細胞診による子宮頸癌の集団検診はその死亡率,罹患率の低下に役立ってきたが,近年に至ってこれらに変化はなく,今なお年間約5,000人が子宮頸癌によって死亡している.低開発国を含めた世界では,年間20万人の女性が子宮頸癌で亡くなっていると推計される.子宮頸癌の克服は世界的にも重要な課題であり,このためには,今後新しい方策が必要である.ヒトパピローマウイルス(HPV:human papillomavirus)は,子宮頸癌,前癌病変より高率に検出され,子宮頸癌の原因ウイルスであることが明らかとなったため,子宮頸癌の克服はHPV感染の予防であるという考え方が広く受け入れられつつある.
 一方,癌免疫研究は過去10年遺伝子レベルの研究が飛躍的に進歩し,有効な癌抗原が明らかにされ,それらを利用した癌ワクチン療法が注目されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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