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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻7号

2000年07月発行

連載 OBSTETRIC NEWS

ルーチン超音波診断は有用なのか?

著者: 武久徹

ページ範囲:P.938 - P.939

文献概要

 ある日本の調査では,日本では半数以上の産科医が妊娠後期に胎児体重推定を行うそうである.ローリスク妊娠に対するルーチン超音波診断は母子に恩恵があり,費用効果の面で有用性はあるのだろうか?この疑問に対する結論はすでに出されており(DHHS publication NIH 86-668,1984;Effective Care in Pregnancy and Child—birth,p 427,1989)(図1),米国産婦人科学会(ACOG)も最新の勧告で,ローリスク妊娠を対象にルーチンに超音波診断を行っても周産期罹患と死亡および不必要な介入分娩率を減少させることはできない,ローリスク妊婦における超音波診断は適応があるときに行うべきである(Recommen—dation A:Level I Evidence)(最も信頼度の高い研究結果があることを示している)と述べている(ACOG Practice Patterns.No 5,August1997).
 1999年の米国周産期医学会でも,この問題に関する幾つかの研究が発表された.まず,Vintzileosら(ニュージャージー州)は妊娠中期のルーチン超音波診断と適応があるときにのみ行う超音波診断を比較し,費用効果を検討した.超音波診断の費用を1回200ドルとして,研究が行われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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