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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻8号

2000年08月発行

連載 OBSTETRIC NEWS

巨大児の疑いの場合に誘発分娩を行うべきか?

著者: 武久徹

ページ範囲:P.1040 - P.1041

文献概要

 産科医が恐れている分娩の一つが肩甲難産である.肩甲難産を回避する難しさの原因は推定胎児体重(EFW)の不正確さ,すなわち,巨大児の推測の困難さがある.したがって,EFWに基づく帝王切開(帝切)は,きわめてまれな戦略と考えられている.次の管理方針は,児が大きくなる前に誘発分娩を行うという方法が考えられるが,自然陣痛に比べて誘発分娩自体が有意に帝切率を上昇させるため(表1),巨大児が疑われるとき,または巨大児になる可能性があるときに誘発分娩を行うという選択はまれであった.
 現在までに行われた二つの研究(OG 81:492,1993;Am J Perinato112:63,1995)では,巨大児の疑いのある場合に誘発分娩を行っても,肩甲難産の発症率は減少せずに,帝切率のみが上昇することが示唆されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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