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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻9号

2000年09月発行

連載 OBSTETRIC NEWS

吸引分娩再考

著者: 武久徹

ページ範囲:P.1136 - P.1137

文献概要

 器械的分娩として鉗子分娩または吸引分娩が採用され,帝王切開(帝切)率の減少に貢献している.鉗子分娩に関しては,米国産婦人科学会(ACOG)から詳細の留意事項が紹介され,吸引分娩に関する見解も示されているが,吸引回数,何回までの滑脱に耐えられるか,合計吸引持続時間などに関するコンセンサスはないことが紹介されている(ACOG Tech Bull#.196,1994).
 吸引分娩の結果,頭血腫の発生率は6%(自然経腟分娩の場合は2%)である.頭血腫の5%にヘアライン頭蓋骨骨折が発生する.さらに重篤な合併症である帽状腱膜下血腫は,吸引分娩の0.6%に発生する.その他,裂傷,高ビリルビン血症,網膜出血,肩甲難産なども発生する.吸引分娩の結果,発生する重篤な合併症(帽状腱膜下血腫,頭蓋内出血,永久上腕神経叢麻痺,死亡など)は1%以下である.最近,米国食品医薬品局(FDA)から,吸引分娩に関する警告が紹介され,異論も唱えられている.本稿では,FDAの勧告とACOGの見解を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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