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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科54巻9号

2000年09月発行

文献概要

連載 Estrogen Series・44

ピルはほんとうに環境ホルモンか?

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.1138 - P.1139

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 ピルがようやく日本でも使用が認可されたとの最近の新聞報道で,ピルが環境ホルモンであることが懸念されることが記されていた.この点については,欧米ではすでに解決済みとされており,いまさらそれを蒸し返すものもいない.今回はそのへんの事情についてご報告したい.
 エストロゲン物質による環境汚染は水系に広く分布する.たとえばエストロゲン作用を有する工業物質として代表的なAPE(alkylphenol—polyethoxylates)は毎年30万トン使用されるが,その60%は水系に分布すると推定されている1).ことの発端はある釣り人が雌雄同体の魚を見つけたことにあった.釣り上げた場所は下水処理場の放水路のすぐ下流であった.魚の雌雄同体はきわめて稀で,それ自体で症例報告となるぐらいである.ところが調べて見ると,下水処理場の放水路下流にいる魚の実に5%もに雌雄同体がみられたのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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