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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻1号

2001年01月発行

今月の臨床 性感染症—胎児から癌まで

Overview

3.ピル解禁と性感染症

著者: 北村邦夫1

所属機関: 1社団法人日本家族計画協会クリニック

ページ範囲:P.24 - P.27

文献概要

はじめに
 女性へのAIDSを含む性感染症(STD)の拡大が深刻さを増している.厚生省性感染症センチナル・サーベイランス研究班の報告1)によれば,1998年度報告数に基づくSTD罹患率の推計は男女合わせて10万人対475.15人である.このうちクラミジア感染症,性器ヘルペス,尖形コンジロームなどにおいて,女性での罹患率が男性に比べて高率となっている.今のところHIV/AIDS罹患率が他の先進諸国に比べて低いとはいえ,このようなSTDの拡大は,近い将来のHIV/AIDSの広がりを予測させる(図1).
 女性はSTDに罹患しやすいだけでなく,妊娠をも引き受けるという生物的特性がある.しかも,性の二重基準ともいうべき男性主体の論理に大きく影響され,避妊やSTD予防を困難にしている.その意味から,避妊法の選択とSTD予防を効果的になし得る方法を見出すことは,女性のリプロダクティブ・ヘルスの向上のために緊急かつ重要な課題となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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