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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻1号

2001年01月発行

文献概要

今月の臨床 性感染症—胎児から癌まで 性感染症と産婦人科疾患

4.不妊症とクラミジア

著者: 長田尚夫12

所属機関: 1日本大学医学部産婦人科 2駿河台日本大学病院産婦人科

ページ範囲:P.38 - P.41

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はじめに
 クラミジア感染症(Chlamydia trachomatis:C.trachomatisと略す)は,性感染症(sexually trans—mitted diseases:STDと略す)の中で最も頻度の高い疾患であるばかりでなく,この10年間に50%増加となっている(厚生省STDサーベイランスデータ).熊本1)の報告によると25歳未満の既婚妊婦では8.7%,未婚中絶希望女性では15.8%のC.trachomatis陽性率となっている.
 クラミジア感染症は臨床症状に乏しく,しかも慢性的に進行することからその診断,治療が遅れがちであり,卵管性不妊症,特に卵管周囲癒着や卵管留症などの原因となることが注目されている.このクラミジア感染症は,子宮頸管炎から始まり子宮内膜炎,卵管炎,子宮付属器炎から骨盤内感染に波及し,卵巣卵管周囲に癒着を惹起,卵管不妊の原因になる.クラミジア感染症の診断は,スクリーニングとして子宮頸部のC.trachomatis抗原を検索する.本法の欠点は,陽性率が低いことと,子宮頸部以上の感染には無効であることである.子宮内膜や卵管,骨盤内の感染の有無については,血中のC.trachomatis抗体検査が行われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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