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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻1号

2001年01月発行

今月の臨床 性感染症—胎児から癌まで

性感染症の最新の治療法

2.性器ヘルペス症

著者: 今中基晴1 森村美奈2

所属機関: 1大阪市立大学看護短期大学部 2大阪市立大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.65 - P.67

文献概要

性器ヘルペスとは
 性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(Herpessimplex virus:HSV)1型(HSV−1)または2型(HSV−2)の感染によって性器もしくはその付近に発症する性感染症である.初感染では強い疼痛を伴う潰瘍性病変が出現し,発熱や両側鼠径リンパ節腫脹を伴うことが多いが,無症候性で疾患と認識されないこともある.HSVが性器の皮膚・粘膜に感染すると,神経を通じて仙髄神経節に至り潜伏感染となる.その後,周期的にHSVが再活性化されて,神経支配領域に再発したり,無症候性にウイルスを排泄することになり,完治することは少ない.再発では症状が軽微であることが多い.症候性の初感染後の平均再発率はHSV−2では0.34回/月,HSV−1では0.08回/月である1)
 感染はウイルスが存在する皮膚・粘膜に直接接触することによって成立し,パートナーの性器や口唇,指などが感染源となる.パートナーが性器ヘルペスに罹患し,女性に抗HSV抗体がない場合,1年間に約31.8%に感染するが2),感染源と考えられるパートナーの約70%は無症候であるといわれている3).性器ヘルペスに罹患した場合,無症候期でも1〜5%ではウイルスが排泄されている4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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