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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻1号

2001年01月発行

文献概要

今月の臨床 性感染症—胎児から癌まで 性感染症の最新の治療法

4.HIV感染症

著者: 照屋勝治1 岡慎一1

所属機関: 1国立国際医療センターエイズ治療・研究開発センター

ページ範囲:P.72 - P.75

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はじめに
 1981年に突如出現したHIV感染症は瞬く間に世界中に蔓延した.1987年まではHIVに対して有効な薬剤は皆無であり,患者はAIDS発症後平均1〜2年で死亡していた.1987年のAZTを皮切りに抗ウイルス剤が次々と開発され治療に用いられるようになったが,1996年までこれらの薬剤の単剤治療は一次的な改善をもたらすものの,急速に耐性が獲得され,患者の生命予後を改善することはできなかった.しかし1996年に米国の臨床試験ACTG 175にてAZT+ddIやAZT+ddCなどの併用療法が明らかな延命効果と発病阻止効果をもたらすことが示された.さらに1995〜1996年にかけてプロテアーゼ阻害剤(PI)が登場し,1996年以降はこれらの薬剤と2種類の逆転写酵素阻害剤(NRTI)を組み合わせたHAART(highlyactive antiretroviral therapy)と呼ばれる3剤治療が行われるようになった.それ以後HIV感染者の死亡率とAIDS発症者数,日和見感染症罹患率の劇的な減少を認め,HIV感染症は治療可能な疾患として新たな展開を迎えたといえる.しかし一方で耐性ウイルス出現の問題,抗ウイルス薬の長期的副作用の問題などがクローズアップされるようになってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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