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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻10号

2001年10月発行

今月の臨床 ライフスタイルの変化と女性の健康

ライフスタイルの変化と健康への影響

3.生活の利便化と栄養の偏り

著者: 廣田孝子1 廣田憲二2

所属機関: 1辻学園中央研究室 2日本生命済生会附属日生病院産婦人科

ページ範囲:P.1096 - P.1100

文献概要

はじめに
 近頃の女性においては,男性と並ぶ社会への積極的な職業参加がみられ,ライフスタイルの急激な変化が進んでいる.これまで女性の多くは家庭生活の担い手として,社会で働く男性やまた子どもの養育や健康を全面的に支えてきた.しかし男女共働きとなると,家族はもとより自身の健康を保持するための時間すら減少してしまい食生活も簡便化,利便性へと向かわざるをえない.実際に外食や加工食品の増加,欠食,偏食,ある種の栄養素の欠乏や過剰,運動不足,精神的ストレスや生活リズムの乱れなどの現象が多数観察されている.一方,健康や食に関する情報は氾濫し,適切で正確な情報を選ぶことはますます困難となってきている.加えて女性のルックス(外観)がますます重視されるようになり,美しくなりたいという要望や痩身願望が強く,無謀なダイエットや偏った食事,拒食症などによる栄養素のアンバランスが問題となる.一方,日本人女性の平均寿命は年々伸展しており,長い寿命のQOLを支えるための,長期的展望に立った健康維持を考慮した早期からの対応が必要である.たとえば更年期以後急激に増える循環器系疾患や骨粗鬆症,痴呆などを若年期から予防するための方策を考え,利便性ばかりが先行した現代の食生活を検証しなければならないであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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