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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻10号

2001年10月発行

症例

経腹超音波上で高輝度を示す羊水所見の臨床的意義について

著者: 佐藤賢一郎1 水内英充2

所属機関: 1新日鐵室蘭総合病院産婦人科 2みずうち産科婦人科

ページ範囲:P.1181 - P.1185

文献概要

 今回,妊婦健診時の経腹超音波にて高輝度羊水を示し,結果的に豊富な胎脂による超音波所見と考えられた2例と,濃緑色の羊水混濁を認めた1例を経験した.2例はともに,39週1日で胎盤実質と同等もしくはそれ以上にびまん性に高輝度を示し,臍帯は羊水腔に明瞭なコントラストを示して描出され,粒子状所見,層状所見は認めなかった.1例は,40週2日で粒子状所見を伴い,下層より上層へ向かい階層状に高輝度から低輝度へ移行する所見を認めた.これら3例の経験と文献的考察より,現時点では超音波上で高輝度羊水が認められた場合,必ずしも羊水混濁を示唆する所見とはいえないが,豊富な胎脂が存在する可能性は高いため,羊水混濁の可能性についての配慮とともに,豊富な胎脂によるneonatal aspiration syn—dromeや母体腹膜炎などの合併症の可能性を考慮しながら対応していくことが実地臨床上,必要であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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