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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻12号

2001年12月発行

雑誌目次

今月の臨床 子宮内膜症治療のストラテジー 総論

1.子宮内膜症の疫学と最近の特徴

著者: 武谷雄二

ページ範囲:P.1300 - P.1303

子宮内膜症は最近増えているのか
 子宮内膜症は開腹または腹腔鏡検査などで直接病変を確認することで確定診断がなされるものであり,腹腔鏡が普及する以前,すなわち1980年代以前は,骨盤内腫瘤または卵巣癌などの子宮内膜症以外の婦人科疾患で開腹した際に偶然発見されるものが多かったと考えられる.また現在ルチーンに用いられている経腟超音波やMRIなどの画像診断が利用できない時代には子宮内膜症を事前に疑うことは極めて困難であった,またrAFS分類が提唱されたのは1985年であり,この分類法で微小(minimal)な病巣がI度として正式に認められたが,これ以前はminimalな病巣はたとえ存在したとしても病巣として認識されなかったのではないかと考えられる.これらに加え,子宮内膜症は生命予後にかかわることは極めてまれであり,以前の婦人科医の間では,疼痛を中心とする主訴に対し積極的な医学的介入をしようとする思考は希薄であった.すなわち医師にとって子宮内膜症は有効な治療薬もなく比較的関心の低い疾患であった.このような事由で時代を越えて子宮内膜症が増えたかどうかを論ずるのは困難な点が多い.また放置すれば必ず進行するものでなく,自然治癒もあり得る疾患のため医師が診断を下さなかったのか,本疾患が少なかったかを区別することは無理がある.

2.治療法の変遷

著者: 小畑孝四郎 ,   星合昊

ページ範囲:P.1304 - P.1307

薬物療法
 子宮内膜症は初経以前にはその発生は認められず,性成熟期に発育増殖し,閉経後退行する疾患であることは以前から知られていたが,これが卵巣ホルモン依存性の疾患であることがわかったのは1940年代のことである.その治療にホルモン剤を使用しようとする試みは1950年代になってからであり,エストロゲンをはじめ,アンドロゲン,プロゲスチン,エストロゲン—プロゲスチン合剤が使われ,その後,ダナゾール,性腺刺激ホルモン放出ホルモン作動薬(GnRHa)および拮抗薬(GnRH-ant)などが登場してきた.

3.治療に必要な病因・病態の理解

著者: 石丸忠之

ページ範囲:P.1308 - P.1312

はじめに
 子宮内膜症は子宮内膜およびその類似組織が子宮腔以外の場所(主として骨盤腔)に存在する病態である.この異所性子宮内膜組織の存在によりmacrophage(Mφ)やcytokineが誘導され,その結果,種々の症状が惹起され,患者を悩ませる.その主な症状としては疼痛(月経痛,性交痛,非月経時の腰下腹部痛)と不妊が挙げられる.そこで本稿では,骨盤子宮内膜症の治療の対象として疼痛と不妊を取り上げ,各々の発症原因(病因)について概説する.

各論

1.診断,病態の把握に必要な検査

著者: 田原隆三 ,   藤間芳郎 ,   岡井崇

ページ範囲:P.1314 - P.1317

はじめに
 子宮内膜症の確定診断は腹腔鏡あるいは開腹による視診,さらに組織診によるが1),実地臨床における通常の診断手順としては問診,内診,直腸診に加え,超音波断層法,CT,MRIなどの画像診断,さらに腫瘍マーカーとしてのCA125など臨床的診断または補助診断により治療を開始していることが多い.表1に子宮内膜症の診断の進め方を示す2).本稿ではこのような子宮内膜症の診断,病態把握に必要な検査について概説する.

2.治療方針の立て方

著者: 原田省

ページ範囲:P.1318 - P.1320

はじめに
 子宮内膜症は生殖年齢女性の少なくとも5%に発生し,月経痛と不妊症をひき起こし女性のqual—ity of lifeを著しく損なう疾患である.内膜症の発生病因は未だ明らかではないが,逆流した月経血中に含まれる内膜細胞が腹膜に移植したのち増殖するという移植説と,腹膜が腹腔内貯留液の刺激によって化生を起こすという化生説が有力である.いずれにしても,月経血の逆流がキーファクターとなる.発生病因が明らかでないことから,本症の治療方針についても未だ定見は得られていない.本稿では,現在までに得られている子宮内膜症治療に関するevidenceを紹介し,治療方針の立て方について解説する.

3.不妊治療と子宮内膜症

著者: 太田博孝 ,   田中俊誠

ページ範囲:P.1321 - P.1323

はじめに
 子宮内膜症の不妊原因は単一ではない.本症の不妊原因としては,癒着などによる物理的障害から,排卵・受精から卵の発育,着床障害に至るまでの機序が考えられている.最近の医療技術の進歩により,子宮内膜症の各障害を回避することで本症の妊娠率を他因子不妊例の治療成績にまで改善させることが可能となってきた.後方視的にみてみると,本症の治療成績を左右する主な問題点として,癒着による卵の捕捉障害,卵子や受精卵の質低下および着床障害の3因子があげられる.本稿では上記3因子に注目し,その治療戦略について述べる.

4.疼痛への対応

著者: 泉谷知明 ,   森岡信之 ,   深谷孝夫

ページ範囲:P.1324 - P.1326

はじめに
 子宮内膜症は,疼痛と不妊を特徴とする疾患である.とくに疼痛はすべての年代の子宮内膜症患者において問題となり,患者のQOL(quality oflife)に大きな影響を与えることから,その管理は重要である.子宮内膜症における疼痛の特徴,原因,評価およびその治療法について述べる.

5.薬物療法

著者: 田坂慶一 ,   坂田正博 ,   田原正浩

ページ範囲:P.1328 - P.1333

はじめに
 子宮内膜症の薬物療法について述べる前にその位置づけと全体像について述べておく.子宮内膜症は悪性の可能性は低いが,その治療において症状,妊孕性の確保,ホルモンの調節などのかかわりを持ち,診断手順においても治療手順を設定する場合でも,患者の目指すところ,症状に対する患者の認容性,効果の持続性,疾患の永続性などを考慮すると多様で複雑な選択枝の中で判断しなければならない疾患である.子宮内膜症の好発部位はダグラス窩腹膜,膀胱漿膜面,卵巣表面,卵巣実質,消化管表面,卵管,子宮表面などである.これらの部位における急性あるいは慢性的症状の主なものは下腹痛,不妊,付属器腫瘤である.一般に付属器腫瘤は外科的に治療され,病変の残存の程度により薬物療法が選択される.一方,下腹痛の場合は病状,症状の程度と治療水準の設定により外科的な局所治療あるいは卵巣の周期的ホルモン分泌を抑制する各種薬物療法が選択される.不妊を主訴とする場合は,その病変の広がり,病期によって,選択する治療法および各種薬物療法の順序が異なってくる.たとえば病期I,II期の場合,治療選択としてダナゾール,ブセレリンなどの薬物で卵巣機能を抑制するか,外科療法で病変を除去するか,積極的に過排卵処置(クロミフェン,hMG-hCG療法)による排卵誘発を行うか,生殖補助技術を用いるかの選択になる.

6.子宮内膜症における治療方針の選択—保存治療および手術療法における選択と新しい試み

著者: 古谷健一 ,   村上充剛 ,   松田秀雄 ,   牧村紀子 ,   永田一郎 ,   菊池義公

ページ範囲:P.1334 - P.1338

はじめに
 最近,子宮内膜症に高い関心が寄せられている.その理由として,本症が下腹痛や月経困難症とともに腹腔内環境に影響して妊孕能低下の原因となっていることが背景にあると思われる.本稿では当科における子宮内膜症患者の臨床的背景とそれに対する治療方針を概説し,さらに薬物治療や腹腔鏡下手術におけるいくつかの新しい試みに触れたい.

7.特殊型への対応

著者: 奥田喜代司

ページ範囲:P.1340 - P.1343

はじめに
 子宮内膜症の好発部位は卵巣,ダグラス窩,仙骨子宮靭帯,膀胱漿膜,円靭帯などであるが,その特殊型とはこれら好発部位以外の子宮内膜症とも考えられる.特殊型には骨盤子宮内膜症と関連が深い腸管子宮内膜症,尿路子宮内膜症や,関連が薄い皮膚子宮内膜症,肺子宮内膜症などに分類することができる1).一方,組織発生を加味した病理学的特徴からみて腹膜子宮内膜症,卵巣子宮内膜症の特殊型として腺筋症様の病巣をもつ直腸腔中隔子宮内膜症2,3)は一つの特殊型といえる.これらの特殊型は発生部位が子宮から離れれば離れるほどホルモンの影響が薄れ,診断が困難になり,ホルモン療法の効果が悪くなる.したがって,特殊型の治療は組織学的確認も可能な手術療法が中心となるが,開腹手術が選択されることが多かった.近年の内視鏡手術における機器や技術の発展により,子宮内膜症の重症例や特殊型の症例までも内視鏡手術の適応が可能となってきた.とくにわれわれ婦人科医が遭遇しやすいのは,骨盤内子宮内膜症を伴った腸管や尿路子宮内膜症の合併に対する対応である.

8.再発例の取り扱い方

著者: 杉並洋

ページ範囲:P.1344 - P.1349

はじめに
 今回,筆者に与えられたテーマは「子宮内膜症再発症例の取り扱い方」である.一般的に子宮内膜症は種々の保存的治療を加えても根治することは難しく,しばしば再発する疾患であると考えられている1).いっぽう,根治的に治療できた子宮内膜症が再発するか否かといった問題はまだ未解決である.ここで,根治的というのは完全に子宮内膜症病巣が除去できたという意味であり,子宮および両側卵巣を摘出するといったいわゆる根治的手術を意味しているのではない.筆者個人としては,確証があるわけではないが,原則として完全に治療された子宮内膜症は再発しないと考えている.
 この仮説を側面から支持するものとして,子宮内膜症の自然史に関する分析があげられる.図1はわれわれの施設において腹腔鏡下手術を受けた307例の子宮内膜症婦人の腹腔内所見を分析し,腹膜表面に存在する子宮内膜症病巣の諸形態の発現頻度を年齢階層別(階層I:12〜20歳,n=20;II:21〜25歳,n=49;III:26〜30歳,n=128;IV:31〜35歳,n=64;V:36〜48歳,n=46)に検討した結果を示している(Suginami,et al,un—published data).

その他の留意点

1.急性腹症と子宮内膜症

著者: 澤口啓造 ,   野口昌良

ページ範囲:P.1350 - P.1351

はじめに
 婦人科領域で取り扱う救急医療として最も頻度が高く,かつ代表的な症状は腹痛であり,そのなかでもとくに重症で開腹手術などの外科的処置が必要な例は急性腹症(acute abdomen)と呼ばれる疾患群に含まれる.表1に婦人科領域における急性腹症を示すが,主な疾患としては子宮外妊娠(とくに破裂型),卵巣腫瘍茎捻転があげられ1),なかにはショック症状を呈し,生命を脅かす可能性も秘めている.そのため腹痛に関しては迅速かつ正確な診断と適切な処置が求められる.
 詳細な他科疾患との鑑別診断や各々の治療に関しては別稿にゆずり,本稿では子宮内膜症にみられる症状,病態でとくに急性腹症に準じたり,あるいは急性腹症として治療を必要とする問題点にふれる.

2.体外受精治療と子宮内膜症

著者: 栁田薫 ,   片寄治男 ,   佐藤章

ページ範囲:P.1352 - P.1354

はじめに
 体外受精を軸とした生殖補助医療技術(assist—ed reproductive technology:ART)は昨今の実地不妊治療の中心的役割を果たしている.体外受精が適応される子宮内膜症は主に卵管に対する障害が原因であり,その治療(conventional-IVF)周期に占める割合は8%程度である1).また子宮内膜症は外科的治療やGnRH analogueを中心とした薬物療法後の妊孕能回復に対しても効果が期待されるため,子宮内膜症を原因とする不妊症治療に対して体外受精は第一選択となっていない.卵細胞質内精子注入法(ICSI)が適応される男性因子不妊症患者でもARTを行う際,婦人に子宮内膜症の存在が確認されることが往々にしてある.
 本稿では,子宮内膜症患者に対する体外受精の留意点として,体外受精が適応される患者に確認された子宮内膜症が受精,妊娠などに与える影響を考察し,さらにその対策について述べる.

3.卵巣癌の合併

著者: 青木陽一 ,   田中憲一

ページ範囲:P.1355 - P.1357

はじめに
 これまで子宮内膜症が表層上皮性卵巣癌,特に明細胞腺癌や類内膜型腺癌としばしば共存することが報告されてきた.子宮内膜症から癌への直接移行を示す症例や子宮内膜症を発生母地とする癌の存在も指摘されている1).子宮内膜症の治療において卵巣癌の合併は見逃してはならない重要な留意点と考えられる.

連載 カラーグラフ 知っていると役立つ婦人科病理・30

What is your diagnosis?

著者: 島田志保 ,   廣瀬隆則 ,   清水道生

ページ範囲:P.1297 - P.1299

症例:48歳,女性
 外陰部腫瘍の診断のもとに腫瘍摘出術を施行された.腫瘍は腟前壁に存在し,大きさは8×4.2×1.8cmで,軟らかく白色調を呈した.Fig 1(弱拡大)およびFig 2(強拡大)は摘出された腫瘍の組織像(HE染色)である.
 1.病理診断名は何か.

婦人科腫瘍切除標本の取り扱い方・10

絨毛性疾患切除標本の取り扱い方

著者: 永井宣隆

ページ範囲:P.1358 - P.1361

はじめに
 絨毛性疾患は胞状奇胎,絨毛癌,placental sitetrophoblastic tumor(PSTT),存続絨毛症を総称した呼称であり,登録や臨床的取り扱いを目的とした臨床的分類と病理診断や病理項目の記載の簡便化を目的とした病理学的分類が設定されている(表1).
 本稿では絨毛性疾患取扱い規約の病理学的分類に従って解説する.

病院めぐり

島根県立中央病院

著者: 岩成治

ページ範囲:P.1364 - P.1364

 島根県立中央病院は島根県出雲市にあり,一般診療はもとより,高度・特殊医療および救命救急医療を提供する県の基幹病院である.1999年8月1日に開院した新病院では,屋上にヘリポートを設置するなど県内唯一の救命救急センターとしての機能を充実したほか,県内全域をエリアとする基幹病院として特定集中治療室の増床や新生児集中治療室の施設基準の取得,母体胎児集中治療室の新設など高度特殊医療の機能充実を行っている.また,日本で初めて,独自に開発した電子カルテを中心とした統合情報システムの導入により,質の高い医療の提供と患者サービスの向上に努めている.
 当病院の規模は,総病床数が695床で,34床の救命救急センター,16床のICU・CCU,24床のNICU,3床のPICUを有している.診療科は33科あり,医師数は研修医を含めて約120人である.

福井赤十字病院

著者: 岸淳二

ページ範囲:P.1365 - P.1365

 福井赤十字病院は,大正14年4月に日本赤十字社福井支部病院として内科,外科,産婦人科,眼科,耳鼻咽喉科の5科で診療を開始しました.併せて,救護看護婦の養成を開始しています.その後,小児科,伝染病棟,サナトリウム棟,放射線科を設置して増床を重ね,昭和18年6月に福井赤十字病院と改称しました.昭和23年6月の福井大震災により全壊した建物を昭和25年に復旧し,昭和32年9月には総合病院の名称使用を承認されています.引き続き,科の増設,増床を重ね,昭和44年6月に現在の本館が完成しました.昭和48年4月には臨床研修指定病院の指定を受け,現在では日本産科婦人科学会をはじめ31学会より専門医(認定医)教育研修施設の認定を受けています.昭和56年に第5病棟が新築完成し,昭和63年には第3病棟が新築完成しました.
 また,平成11年には「医療の質」を向上させることを目的にクリティカルパスを導入し,産婦人科では「腹式単純子宮全摘術」,「帝王切開術」,「正常産褥」などのパスが稼働しています.平成11年6月から20床の開放型病床の運営を開始し,平成13年4月からは地域医療連携室を設置して,病診連携の推進に力を注いでいます.当院の平成13年4月現在の許可病床数は630床(一般586床,感染4床,結核40床)で,21診療科からなっており,福井県嶺北地方の中核病院として診療を行っています.

原著

当科における若年子宮体癌の臨床的検討—特に妊孕性温存を施行した症例について

著者: 橋本歳洋 ,   山田秀和 ,   渡辺尚文 ,   高野芳正 ,   森村豊 ,   栁田薫 ,   佐藤章

ページ範囲:P.1366 - P.1370

 近年,子宮体癌は増加しており,それに伴い若年子宮体癌も増加傾向にあるとされ,われわれも1990年〜2000年の11年間に40歳未満の子宮体癌患者を12例経験した.そのうち8例に初回治療で根治術を施行し,4例に妊孕性の温存をはかり,ホルモン療法(medroxyprogesteron acetate療法:以下,MPA療法)を施行した.初回治療として根治術を施行した8例はいずれも無病生存している.また,MPA療法を行った4例のうち1例はその後妊娠し,健児を得ているが,2例はMPA療法後に再燃し根治術を施行,1例は異型増殖症で治療中である.健児を得たという報告が散見されるようになってきたが,保存療法は安易に施行すべきではなく,その適応を守ることが大事であり,慎重な管理が必要である.

臨床経験

若年子宮筋腫核出症例の臨床的検討

著者: 朝野晃 ,   丹野治郎 ,   明城光三 ,   和田裕一

ページ範囲:P.1372 - P.1375

 1990年1月から2000年12月までの子宮筋腫手術症例中,24歳以下の若年子宮筋腫7例の臨床的検討をした.24歳以下の若年子宮筋腫症例は19歳から24歳で,全例に筋腫核出術を施行し,頻度は筋腫核出例の4.38%であり,子宮全摘術施行症例も含めると0.60%であった.初経は平均11.8歳で,7例中5例が未経妊であった.核出筋腫は単発例が6例で,筋腫核重量は90〜1,110gであり,平均重量は355gであった.筋腫核の発生部位に一定の傾向はなく,多発子宮筋腫例は1例であった.

細菌性腟症とその関連疾患

著者: 池田和則

ページ範囲:P.1376 - P.1378

 全身炎症所見を伴わない局所子宮内感染としてirritable uterus(IU)という名称を用いた.IU症例の腟分泌物を検討することにより,近年,早産や産婦人科術後感染の原因として注目されつつある細菌性膣症とIUとの間の密接な関係が示唆された.さらに,骨盤内炎症性疾患(PID)の一部に細菌性腟症を原因とするIUから進展したと思われる症例が存在した.細菌性腟症を伴ったIU症例を治療することは,その症例が多いこと,またその診断と治療が比較的容易であることを考えると,生殖年齢の女性に器質的後遺症を残しうるPIDを予防するという観点からみて,非常に有力な方法であると考えられる.

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「臨床婦人科産科」第55巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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