文献詳細
臨床経験
文献概要
全身炎症所見を伴わない局所子宮内感染としてirritable uterus(IU)という名称を用いた.IU症例の腟分泌物を検討することにより,近年,早産や産婦人科術後感染の原因として注目されつつある細菌性膣症とIUとの間の密接な関係が示唆された.さらに,骨盤内炎症性疾患(PID)の一部に細菌性腟症を原因とするIUから進展したと思われる症例が存在した.細菌性腟症を伴ったIU症例を治療することは,その症例が多いこと,またその診断と治療が比較的容易であることを考えると,生殖年齢の女性に器質的後遺症を残しうるPIDを予防するという観点からみて,非常に有力な方法であると考えられる.
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