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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻2号

2001年02月発行

今月の臨床 妊娠中毒症—新しい視点から

概念と定義の変遷

1.米欧の考え方の違い

著者: 竹村昌彦1 神崎徹1 村田雄二1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学産科学婦人科学

ページ範囲:P.106 - P.109

文献概要

はじめに
 妊娠中に著明な浮腫が出現し,それに痙攣発作を起こすような異常は,すでにギリシャ時代には認識され,記述されていた.このような病態に対してはその後何世紀にもわたって妊娠中毒症(toxemia)という言葉が使われてきた.しかしこの病名には,妊娠初期の悪阻なども含められており,妊娠中に特有なさまざまな症状が何らかの毒素により発生するという概念にもとづいていた.
 その後,妊娠中毒症の概念はさまざまに変遷をとげながら現在にいたっている.近代にいたって,高血圧,蛋白尿,浮腫がその三徴候とされ,中毒症の概念が絞り込まれた.妊娠に伴って発生する毒素は否定されたが,toxemiaという言葉は生き残って長らく使われてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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