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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻2号

2001年02月発行

症例

先天性アンチトロンビンIII欠乏症合併妊娠の1例

著者: 野村祐久1 伊藤誠1 西迫潤1 杉浦智子1 松原英孝1 千原啓1 高田亨2 石井シゲ子3

所属機関: 1聖霊病院産婦人科 2聖霊病院内科 3石井産婦人科

ページ範囲:P.208 - P.210

文献概要

 筆者らは,辺縁静脈洞破裂による出血が契機となりAT-III欠乏症が診断された症例とその周産期管理を経験したので報告する.
 症例は,32歳2経妊0経産で,妊娠27週3日に妊娠中毒症,子宮内胎児発育遅延,性器大量出血のために当院に母体搬送された.入院時AT-III活性値33.0%と異常値を認めたため,メシル酸ファモスタット,AT-III製剤を投与した.その後,妊娠中毒症が増悪したため妊娠30週4日帝王切開術を行ったが術中,術後に著変なく術後18日目に,児もNICUで順調に経過し日齢81日で無事退院した.本症例はAT-III活性値33.0%,蛋白量16.4mg/dlの先天性AT-III欠乏症タイプIと思われ,児も新生児期には活性値35.0%で本症を疑ったが,その後の検査で否定された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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