icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻4号

2001年04月発行

文献概要

今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診 基礎

2.乳腺の組織—正常乳腺,乳腺症,良性乳腺腫瘍

著者: 山本洋介1

所属機関: 1香川県立がん検診センター検査科

ページ範囲:P.321 - P.327

文献購入ページに移動
正常乳腺
 乳腺は15〜20の乳腺葉で構成され,それぞれの乳腺葉に対応した乳管が乳頭に開口している.乳頭部から始まった乳管は,多数の分岐を繰り返したあと,最も末梢にあたる終末乳管となり,小葉に終わっている.小葉は複数の腺房(小葉内乳管とも言われる)で構成される.この小葉が多数集まり乳腺葉が形成されている.終末乳管と小葉が最も基本的で重要な単位で,これは終末乳管小葉単位terminal duct-lobular unit(TDLU)と言われている(図1左,右上).
 正常乳管は乳頭部から末梢の腺房に至るまで,内腔側の乳管上皮duct epitheliumと,外側(間質側)の筋上皮myoepitheliumの2層によって構成されている(図1右下).乳腺症や良性腫瘍においてもこの2層性(2相性と表現することもある)は保持されているが,乳癌においては腫瘍化した乳管上皮のみが増殖し筋上皮は見られない.ただし,非浸潤癌(浸潤癌においても乳管内進展部位)では,正常の筋上皮の一部が取り残されていることはめずらしくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?