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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻4号

2001年04月発行

今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診

疫学と発生

3.乳癌の発生とエストロゲン

著者: 鎌田正晴1 上村浩一1 前川正彦1 苛原稔1 青野敏博1

所属機関: 1徳島大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.344 - P.351

文献概要

はじめに
 乳癌のリスクファクターとして,早い初経,遅い閉経,閉経後の肥満などが知られている(「乳癌のリスクファクター」の項参照).いずれも乳腺組織がエストロゲンに曝露されている時間が長いことを意味しており,男性や,早発閉経あるいは若いうちに両側卵巣摘出術を受けた女性では乳癌の発症が少ないという事実と併せ1),エストロゲンが乳癌の発症に関与していることは明らかである.興味深いことに,乳癌と同様にエストロゲン依存性の癌である子宮内膜癌においては,プロゲストーゲンがエストロゲンレセプター(estrogen receptor:ER)をダウンレギュレートしてエストロゲンの作用に拮抗することが知られているが,乳癌では逆に促進的に作用する可能性が指摘されている2).本稿では,エストロゲンおよびプロゲストーゲンと乳癌との関連について述べ,ホルモン補充療法(hormone replacement therapy:HRT)における乳癌の発症リスクについて概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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