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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科55巻4号

2001年04月発行

文献概要

今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診 疫学と発生

7.乳癌の増殖と進行度—非触知癌が触知されるまで

著者: 福富隆志1 明石—田中定子1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院外科

ページ範囲:P.371 - P.373

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はじめに
 乳癌が臨床的に触知されるまでには,病悩期間の数倍にあたる潜在的な非触知期間があったと推察される.しかし非触知乳癌は臨床的には早期癌のように思えるが,必ずしもその概念は簡単なものではない.非触知乳癌は,従来の乳癌取扱い規約ではT0として表記し,単に「腫瘤を認めないもの」とされてきた1).しかし,新取扱い規約では臨床上の非触知乳癌はTnpとして別個に記載され,乳癌の病期分類すなわち進行度分類には直接関与しないことになった2).新取扱い規約におけるT0とは「視触診,マンモグラフィ,超音波にて原発巣を確認できないもの」とより厳密に定義されることになり,UICCのStage分類にしたがって,T0N0M0という概念は否定され,T0N1M0(stage IIA),T0N2M0(stage IIIA),T0N3M0(stage IIIB),T0anyNM1(stage IV)という形で病期分類されることになった3).この改訂は,従来の非触知乳癌の定義が明確でないことと,臨床的な非触知乳癌が必ずしも病理組織学的な早期癌,すなわち非浸潤癌と一致しないことなどによるものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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